ステップ1 提供形態を決める
最初に、どこまでを「1つの取引」とするかを決めます。単発の鑑定(1回の相談で完結)なのか、継続的なオンライン鑑定(月額・回数券のように繰り返し提供する)なのか、講座(知識・技術を教える)なのか、認定制度(修了者に資格・肩書を与える)なのかによって、後続の判定がすべて変わります。
| 形態 | 内容の例 | 法的な見え方 |
|---|---|---|
| 単発鑑定 | 対面・電話で1回完結する鑑定 | 通常は継続的な契約関係が生じにくい |
| 継続オンライン鑑定 | 申込フォームから繰り返し予約・鑑定を受ける | 通信販売の役務提供契約として特商法の規律を受ける |
| 高額カウンセリング・コース | 数回〜数十回のセッションをパッケージで販売 | 消費者契約法・割賦販売法の重畳適用に注意 |
| 養成講座・認定制度 | 生徒を取り、技術を教え、修了者に資格を与える | 教材の著作権、受講契約の中途解約精算が論点に |
ステップ2 対価の受け取り方を確認する
一括前払いか、分割払いか、都度払いかによって適用される法律が変わります。特に、2か月以上の期間にわたり、かつ3回以上に分割して対価を受け取る設計にした場合、割賦販売法上の「割賦販売」(自社割賦)に該当する可能性があります(同法2条1項1号)。同法施行令の別表には「技芸又は知識の教授」という包括的な指定役務の区分があり、鑑定・カウンセリングの知識や技術を教える性質の講座は、この区分に該当すると考えられます。該当する場合、支払条件の表示義務(3条)、契約書面の交付義務(4条)に加えて、支払いの遅滞を理由に解除・一括請求をするには20日以上の期間を定めた書面による催告が必要になり、これに反する特約は無効です(5条)。
ステップ3 勧誘方法を確認する
広告やSNSを見た人が、自分の意思でフォームから申し込む形であれば、特定商取引法上の通信販売(2条2項)に該当します。これに対して、無料鑑定・無料相談と称してZoomや電話に誘導し、その場で個別に高額なコースを勧誘して契約に至らせる形は、電話勧誘販売(2条3項)に該当するおそれがあります。この区別は、クーリング・オフの有無という決定的な違いを生みます。
特定継続的役務提供には基本的に該当しない(ただし「無規制」ではない)
エステ・語学教室などに適用される「特定継続的役務提供」(特定商取引法41条)は、政令で定められた7業種に限定列挙されており、該当する業種だけに法定のクーリング・オフ(48条)と中途解約権(49条)が強制されます。占い・鑑定・スピリチュアルカウンセリングの講座は、この7業種のいずれにも該当しません。
| 指定役務 | 占い・鑑定講座への当てはめ |
|---|---|
| ①エステティック/②美容医療 | 身体への施術・医療行為ではないため非該当 |
| ③語学の教授 | 語学ではないため非該当 |
| ④家庭教師/⑤学習塾 | 学校教育の補習・入試対策ではないため非該当 |
| ⑥パソコン教室 | Zoom等は受講の手段に過ぎずPC操作を教える役務ではないため非該当 |
| ⑦結婚相手紹介サービス | 異性の紹介ではないため非該当 |
なお、この7業種への当てはめ方自体は、オンライン講座・コーチング講座などにも共通する考え方です(詳しくは「オンライン講座に必要な書類」で解説しています)。
個人事業か法人か
占い師として個人事業で始めるか、法人を設立するかは、法務整備の要否そのものには影響しません。特定商取引法・消費者契約法はいずれも「事業者」であれば適用され、個人事業主であることを理由に適用が緩和されることはありません。屋号や法人名の選択よりも、まずは上記3ステップで事業の実態を固めることが先決です。
本ページは一般的な情報です。個別の事業への当てはめは、取引の実態に基づく確認が必要です。参考: 消費者庁 特定商取引法ガイド / 消費者庁 消費者契約法
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