この分野で消費生活相談が繰り返し公表されている
国民生活センターは、占い・スピリチュアル・自己啓発系の高額契約について、繰り返し注意喚起を公表しています。
| 公表日 | タイトル | 要点 |
|---|---|---|
| 令和2年11月26日 | 占い師や鑑定士を名乗る者からメッセージが届きやめられない | 不安をあおる告知を入口に、支払いが高額化し、やめたくてもやめられない引き止めが続く手口 |
| 令和3年7月1日 | オンラインサロンで稼ぐ!? | 収入が得られるかのような勧誘で高額講座を契約し、解約・返金に応じてもらえない相談 |
| 平成30年8月2日 | 簡単に高額収入を得られるという副業・投資の儲け話 | 「必ず稼げる」等の断定的な表示による情報商材・サポートプランの販売 |
| 令和5年5月17日 | 無料カウンセリング等を受けるだけのつもりが高額契約に | 無料相談と称してWeb会議に誘導し、その場で高額契約を勧誘する手口 |
武器1 条項の無効――契約書に書いてあっても効力を持たない場合
消費者契約法は、消費者に一方的に不利な条項を、契約書に書いてあっても無効とする強行規定を複数置いています。
受講者には、本来、民法651条(656条で準用)によりいつでも将来に向かって契約を解除する権利があります。中途解約しても残額全額の支払いを免れないという設計は、この解除権を経済的に無意味にするものです。最高裁は、大学の学納金不返還特約について、同様の構成を違約金の定めとして扱い、平均的な損害を超える部分を無効と判断しています(最判平成18年11月27日・学納金返還請求事件)。
武器2 契約の取消し――勧誘のやり方が問題になる場合
契約書の条項をどれだけ整えても、勧誘のやり方に問題があれば、契約そのものが取り消されます。特に次の2類型は、潜在意識・引き寄せ・霊感・波動といった言葉を使う講座で、類型的にリスクが高くなります。
| 類型 | 根拠 | 取消しができる期間 |
|---|---|---|
| 断定的判断の提供 | 消費者契約法4条1項2号(将来の収入・効果などを断定的に告げる) | 追認できる時から1年・契約締結から5年 |
| 霊感等による知見を用いた告知 | 消費者契約法4条3項8号(不安をあおり契約の締結が不可欠と告げる) | 追認できる時から3年・契約締結から10年 |
広告やLP、SNS投稿の文言も「勧誘」に当たり得るというのが判例の立場です(最判平成29年1月24日・クロレラチラシ配布差止等請求事件)。個別のセッションでの発言に問題がなくても、広告の表現だけで取消しの基礎になり得ます。
武器3 クーリング・オフ――販売類型そのものに紐づく無条件の離脱権
無料カウンセリング・無料セッションと称してZoomや電話に誘導し、その場で高額なコースを勧誘して契約させる販売方法は、特定商取引法上の電話勧誘販売(2条3項)に該当するおそれがあります。該当すると、契約書の内容にかかわらず、8日間のクーリング・オフ(24条)が強制されます。
特に重要なのは、クーリング・オフの起算点が「法定の記載事項を備えた書面(または承諾を得た電磁的記録)を受領した日」である点です。Googleフォームの送信のみで契約の成立を扱い、受講者に契約内容の控えを交付していない場合、法定書面を交付していないことになり、8日間はいつまでも起算しません。受講者は契約からどれだけ時間が経ってもクーリング・オフでき、提供済みの役務の対価を含めて全額の返還を求めることができます(24条5項・6項)。これに反する特約は無効です(同条8項)。
本ページは一般的な情報です。個別の契約への当てはめは、勧誘の実態に基づく確認が必要です。参考: 国民生活センター 公表資料 / 消費者庁 消費者契約法
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