占い・鑑定の月額会員と自動更新:解約の締切・精算・決済失敗の決め方

月額会員の占いは、申込みが軽い分、止め方が分かりにくいと苦情になります。更新、解約、精算、決済失敗の4つを、規約と申込み画面でそろえて書く方法を整理します。

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このページの要点

  • 自動更新は、更新の単位・更新日・2回目以降の金額を、申込みの直前の画面で見せる。規約への記載だけでは足りない。
  • 解約は申込みと同じ手段で、締切は次回更新日の前日を基本に、効力は現在の契約期間の末日の一点に統一する。
  • 年額プランの中途解約は、提供済み部分を計算して返金する。提供していない期間の料金まで受け取る設計は、平均的な損害を超える部分が無効となるおそれがある。
  • 決済の失敗は、通知、猶予、催告、解除の順に分け、解除後の請求は未決済の期間の料金に限る。

最初に結論:自動更新は「何が・いつ・いくらで続くか」を申込み前に見せ、解約は更新日の前に止められる形で決める

結論占いの月額会員は、申込みが軽い分、止め方が分かりにくいと不満の中心になります。規約と申込み画面で、(1)更新の単位と更新日、(2)更新をやめる方法と締切、(3)解約の効力が生じる時点、(4)決済に失敗したときの扱い、の4つを同じ内容でそろえて書くことが出発点です。

月額制のサービスには「解約」という言葉が2つの意味で混ざっています。ひとつは、すでに始まっている契約期間を途中で終えること。もうひとつは、次の契約期間への更新を止めることです。月額会員の多くは後者、つまり「次の月から払わない」ことを望んで解約の手続をします。ところが規約が前者の言い方で書かれていたり、締切が「満了日の7日前」のように利用者の感覚とずれていたりすると、「解約したのに請求された」という苦情になります。

この記事では、毎日・毎月の運勢の配信、会員限定の動画やコミュニティ、定額のメッセージ相談、回数付きの個別鑑定といった、占いの月額サービスに共通する書き方を整理します。よくある誤りと直し方、事業者に確認しておく事項、条文例と計算例までをまとめました。占い全般の規約の組み立てはオンライン鑑定の利用規約に必要な条項にあるため、ここでは月額・自動更新に絞ります。

占いは特定継続的役務提供の指定業種には当たらないため、中途解約の精算を法律がそのまま決めてくれるわけではありません(高額コースの扱いは高額カウンセリング・コーチング契約とクーリング・オフで解説しています)。また、インターネットで申し込む通信販売にはクーリング・オフの制度がありません。その代わりに、申込み画面の表示、定期購入の条件の表示、消費者契約法による条項のチェックが、解約をめぐる判断の中心になります。無料の通話相談から月額の申込みへ導く運用は、電話勧誘販売の問題になるおそれもあるため、あわせて確認が必要です。

月額の占いサービスの4つの形と、解約で問題になりやすい点

形提供済みの測り方解約・更新で問題になりやすい点
配信型(毎日・毎月の運勢をメール・アプリ・動画で届ける)配信された期間配信の頻度や内容が減ったときの扱い、解約後も過去の配信を見られるか
会員限定の場(限定動画・ライブ・コミュニティ)会員資格を維持している期間退会後の閲覧、コミュニティ内の投稿の扱い、月の途中の退会
定額のメッセージ・チャット相談相談の窓口を確保している期間返信の目安、1か月の上限、緊急対応を目的としないこと(依存・精神的危機への対応と連動)
回数付きの個別鑑定(月3回まで、など)実施した回数と、確保した予約の枠未消化分の繰越と失効、無断欠席の消化(予約・キャンセル規定と連動)

実際のサービスは、配信型に質問枠を付ける、会員限定の場に月1回の鑑定を付けるなど、複数の形が重なります。形ごとに「何をもって提供したと数えるか」を先に決めておくと、解約時の精算が書きやすくなります。

「初月無料」「初回1円」から自動更新に移るとき、申込み画面にどこまで表示が必要ですか?

結論から言えば、規約のどこかに書いてあるだけでは足りず、申込みの直前の画面で、利用者が「有料の継続契約に申し込む」と理解できる表示が必要です。月額の占いは、初月を無料や低額にして入口を広げる売り方が多く、2か月目以降に通常料金へ移る点が見えにくくなりがちです。

通信販売の定期購入については、特定商取引法が、広告や申込み画面で定期購入の条件を分かりやすく表示することを求め、顧客に誤認させる表示を禁止しています。誤認して申し込んだ場合には、申込みの意思表示を取り消せる仕組みもあります。表示すべき項目は、初回だけでなく2回目以降の代金とその支払時期、契約期間、解約の条件などです。条番号と細目は法令で確認する必要があるため、ここでは趣旨にとどめます。

消費者契約法も関係します。「初月無料」と強く打ち出す一方で、翌月から自動的に課金されることを告げなかった場合、利益となる旨だけを告げて不利益な事実を告げなかったとして、申込みの取消しが問われる余地があります(4条2項)。事実と異なる説明をすれば、4条1項1号の不実告知の問題です。要件は個別の事情で判断されますが、「見せていなかった」という事実が不利に働くことは変わりません。

申込み画面(最終確認画面)に出す事項の点検

  • 月額料金が総額(税込)で、2回目以降の金額と一緒に表示されている
  • 「毎月自動で更新され、解約しない限り課金が続く」旨が、申込みボタンの近くに書かれている
  • 初回無料・初回割引のときは、いつから通常料金になるか(日付または日数)が書かれている
  • 更新日、課金日、決済手段が書かれている
  • 解約の方法と、更新を止める締切が書かれている(規約へのリンクだけにしない)
  • 申込みボタンの文言が、有料の契約であると分かる(「無料で始める」のまま有料に移らない)
  • 広告、販売ページ、申込み画面、規約、特商法表記、申込み完了メールの内容が一致している

表示の一致は占い師の広告表示の点検と同じ考え方です。販売ページでは月額と書き、規約では30日ごとの課金と書いていると、更新日がずれて苦情の原因になります。

規約は民法の定型約款にあたることが多く、約款を契約の内容とする旨を事前に表示していれば個別の条項にも合意したものとみなされますが、利用者に一方的に不利な条項は合意しなかったものとみなされます(民法548条の2第1項・2項)。自動更新や解約の制限のように利用者に不利な条項ほど、規約の奥に置かず、申込み前の画面に出します。

解約の方法・締切・効力の時点は、どう決めればよいですか?

結論は、申込みと同じ手段で手続でき、締切は次回の更新日の前に置き、効力は「現在の契約期間の末日」の一点に決めることです。点検で多く見られるのは、この3つが互いに食い違っている規約です。

解約の方法:申込みはネット、解約は来店や書面だけ、は避ける

会員制の規約には、本人確認を理由に、退会を来店だけに限り、電話・メール・ウェブでの申出を無効とする書き方が見られます。店舗型のサービスであれば理由は理解できますが、占いの月額会員は、遠方の利用者がインターネットだけで申し込むのが通常です。申込みは数分で済むのに、解約は来店や郵送だけとなれば、実質的に解約を妨げる条項として、消費者契約法10条の問題になります。本人確認は、ログイン済みの会員ページからの手続や、登録メールアドレスへの確認メールで足ります。

解約の方法・締切・効力の書き換え

解約の方法

避けたい言い方退会は、利用者本人の来店による手続のみ有効とし、電話・メール・ウェブでの申請は無効とします。
書き換え例利用者は、会員ページの「更新の停止」から、または登録メールアドレスから運営者へ送るメールにより、いつでも更新を停止できます。

申込みに使った手段で解約できるようにします。手段を限るなら、その理由を示せる場面(本人確認など)に絞り、別の手段で足りるなら受け付けます。

解約の締切

避けたい言い方契約期間の満了日の7日前までに申請がない場合、契約は次の期間も継続します。満了日を過ぎた申請は受け付けません。
書き換え例更新の停止は、次回更新日の前日の23時59分までに完了したものに限り、次回の更新を止める効力を生じます。更新日と締切の日付は会員ページに常時表示します。

締切が長いほど、利用者の感覚とのずれが大きくなります。次回更新日の前日までを基本に、締切の日付を画面で見せます。

解約の効力

避けたい言い方解約の申出が到達した日の属する月の翌月末日に、契約は終了します。
書き換え例更新の停止をした場合も、現在の契約期間の末日まで本サービスを利用できます。

効力の時点が条文ごとに違うと(満了時、到達日の属する月の末日、翌月末日)、どれが適用されるのか説明できません。ひとつに統一します。

締切の「何日前」は法律が一律に決めているわけではありません。ただ、消費者が負担する不利益が大きいほど、消費者契約法10条で一方的に不利益と判断される可能性が高まります。

毎月15日が更新日の会員の例:「7日前」の締切と「前日」の締切の違い

  1. 11月8日「満了日の7日前」型の規約では、この日が11月分の更新を止める最終日です。
  2. 11月10日利用者が「今月で終わりにしたい」と考えて、更新の停止を申し込みます。7日前型の規約では締切を過ぎているため、11月15日にも12月分が課金されます。
  3. 11月14日「前日」型の規約なら、この日の23時59分まで更新を止められます。11月10日の申込みは有効で、11月14日まで利用できます。
  4. 11月15日「7日前」型の規約では、12月分の料金(12月14日まで)が決済されます。利用者は、11月10日に解約したのに課金されたと受け止めます。

同じ申込みでも、締切の置き方で請求の有無が分かれます。締切の日付は会員ページと完了メールで見えるようにします。

日割りをしない:更新の停止と、期間の途中の終了は別の話

月額制では、月の途中で更新を停止しても、当月分の料金は日割りで返さない設計がよく見られます。更新日の前に止められる仕組みであれば、当月分は「その期間を利用できる権利に対する前払」であり、利用者は次の期間の分を止めたに過ぎないと整理できます。反対に、契約期間の途中でサービスを終了させるのは、事業者の都合による中止や、利用者に責任がある停止の場合です。この場合は日割りや未提供部分の返金を考える必要があり、更新の停止とは分けて書きます。

返金に関して、「利用者の都合による解約は、理由を問わず一切返金しない」という一文が置かれることがあります。事業者の債務不履行があっても返さないという意味に読めるため、事業者の責任を全部免除する条項(消費者契約法8条1項1号)や、事業者の債務不履行による消費者の解除権を放棄させる条項(8条の2)として無効になるおそれがあります。「利用者の都合による更新の停止」と「事業者の責めに帰すべき事由による不提供」を分け、後者は振替または返金とすることで、条項の意味が通ります。

更新前の通知と、解約を完了させたことの確認

年額プランのように更新の単位が大きい場合は、更新日の前に、更新の予定と金額、停止の方法をメールで通知する運用が、苦情を減らします。規約に通知の時期(たとえば更新の30日前)を書き、その時期に送れば、更新後の「知らなかった」という主張に答えやすくなります。

解約の側では、手続が完了したら、直ちに完了の日時と利用できる最終日を書いたメールを返します。手続をしたのに完了の表示がなく、請求が来てから初めて失敗に気づくという事態を防げます。また、消費者契約法3条1項4号は、消費者の求めに応じて、契約で定められた解除権の行使に必要な情報を提供するよう、事業者に努力を求めています。解約の方法を尋ねる問い合わせに、すぐ答えられる窓口と、会員ページ上の案内を用意しておくことが、この趣旨に沿います。

料金の改定と、年額プラン・回数付きプランの中途解約の精算は、どう書きますか?

料金を改定するときは、更新の前に新しい料金を知らせ、利用者が更新前に止められる機会を作ります。年額プランなどで契約期間の途中に解約するときは、提供済みの部分と未提供の部分を分けて精算し、解約に伴う金銭の負担は、事業者に生ずる平均的な損害の範囲に収めます。

料金の改定:規約の変更ではなく、更新ごとの新しい条件として見せる

規約には、更新後の料金について「更新時点の最新の料金が適用され、異議を述べることはできない」という書き方が見られます。更新を止めなかった利用者は新料金に同意したものとみなすという趣旨と見られますが、事前に新しい金額が知らされていなければ、不作為をもって同意したとみなす条項として、消費者契約法10条に抵触しやすい書き方です。

民法548条の4は、定型約款の変更が合理的であれば個別の合意なしに変更できるとしますが、効力発生時期を定めて変更の内容を周知する必要があり、合理性を根拠とする変更は、効力発生時期の到来までに周知しなければ効力を生じません(同条2項・3項)。月額料金の値上げは、約款の変更として処理するより、更新ごとの新しい条件として、金額と更新日をメールで通知し、更新前に止められる状態にするほうが、説明が簡単です。

年額プランの中途解約:計算例で見る3つの設計

年額プランを一括で支払い、数か月で解約する場合の返金の設計には、大きく3つの形があります。ここでは月額プランが2,500円(税込)、年額プランが24,000円(税込、月あたり2,000円)で、6か月利用した後に解約する例で比べます。

年額24,000円(税込)のプランを6か月利用して解約した場合の精算例

設計利用済み部分の計算返金額見るべき点
A 月割で精算する24,000円÷12か月×6か月=12,000円24,000円−12,000円=12,000円提供していない6か月分を返す設計で、争いが最も少ない
B 月額プランの単価で再計算する2,500円×6か月=15,000円24,000円−15,000円=9,000円差額3,000円は、年額の割引を戻す性質。申込み前に見せ、解約に伴う負担として平均的な損害の説明ができるかを確認する
C 返金しない24,000円を全額受け取る0円提供していない6か月分12,000円相当まで返さないため、平均的な損害を超える部分が無効となるおそれ(消費者契約法9条1項1号)

月払いの12か月契約で「解約しても残りの期間の料金は全額支払う」とする書き方も同じ問題を抱えます。月額2,000円で6か月が残っていれば12,000円の全額請求になりますが、役務を提供しない分の原価が減る点を踏まえた説明が必要です。

消費者契約法9条1項1号は、解約に伴う損害賠償の額の予定や違約金のうち、同種の契約の解約によって事業者に生ずる平均的な損害の額を超える部分を無効とします。年額の割引分を戻す設計Bの3,000円がこの「平均的な損害」として説明できるかは、割引の仕組み、決済手数料、解約時期ごとの事業者の負担などによります。解約手数料を設けるときは、条文に「時期の区分に応じて事業者に生ずべき平均的な損害の額を勘案して定めた」旨を書き、利用者から求められたときは算定の根拠の概要を説明する努力義務(9条2項)に応えられるよう、計算の根拠を手元に整理しておきます。

回数付きプラン:未消化の枠は「機会の付与」と整理する

月に3回まで鑑定を受けられるプランでは、使わなかった回数を翌月に繰り越さず、返金もしないと定める書き方がよく見られます。月額料金が「個々の鑑定」ではなく「鑑定を受けられる枠を確保すること」に対する対価だと整理できれば、この定めには合理性があります。ただし、事業者の都合で枠が使えなかったとき(鑑定師の体調不良、システム障害など)は、別の日に振り替えるか、その分を返金することにします。利用者の無断欠席を1回分の消化とみなす定めは、予約・キャンセル規定の作り方に沿って、待機の時間と連絡の期限を数字で書きます。

カード決済に失敗したとき、利用の停止と契約の解除はどう分けて書きますか?

結論は、決済の失敗を「一時停止」「催告」「解除」の段階に分け、解除の後に残る支払義務を、すでに発生した未払分に限ることです。点検では、決済が失敗した時点で催告なしに停止や解除ができるとする規約や、強制解約の後に契約期間の満了までの料金を一括で請求できるとする規約が見られます。

決済失敗から解除までの段階の例

  1. 決済失敗の当日登録のメールアドレスへ、失敗した旨・金額・再決済の方法を通知します。この時点では停止しません。
  2. 通知から7日間(猶予期間)会員限定コンテンツの閲覧を一時停止できます。契約は終了しておらず、配信した内容は決済後に見られるようにします。
  3. 猶予期間の満了決済が完了しなければ、相当の期間を定めて催告します。催告の期間も、メールで日付を示します。
  4. 催告期間の満了解除します。解除後に請求できるのは、未決済の当該期間の料金までとし、残りの契約期間分を一括で請求しません。

日数は例です。規約・通知メール・会員ページの表示を同じ日数にそろえます。

強制解約の後に契約期間の満了までの料金を一括で請求する条項は、解約に伴う違約金の性質を持ち、9条1項1号の平均的な損害を超える部分は無効となるおそれがあります。遅延損害金の上限は、支払期日の翌日から支払日までの日数に応じて年14.6%で、超える部分は無効です(9条1項2号)。

もうひとつ見落とされやすいのが、強制解約や退会と同時にアカウントとデータを削除し、復旧しないと書く条項です。占いの月額会員には、生年月日、相談の内容、鑑定の履歴が残っています。削除の時期と保存の期間を、退会・解除・サービス終了ごとに書き、利用者が過去の鑑定結果を保存できる期間(たとえば解約後30日間)を設けると、苦情を減らせます。保管する情報の扱いは占い相談の個人情報と守秘義務とそろえます。

占いの月額会員で、特に起きやすいことは何ですか?

一般的な月額サービスの論点に加えて、占いには、不安に働きかける言い方で継続を促す危険、配信や相談の量が依存につながる危険、鑑定師の個人の事情でサービスが変わる危険の3つがあります。

継続を促す言い方:不安をあおる勧誘は取消しの対象になる

解約の手続に入った会員に、「今やめると運気が下がる」「このまま続けないと不運が続く」といった言葉を送る運用は避けます。霊感などの合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、重大な不利益を回避できないとの不安をあおり、その回避には契約の締結が必要不可欠だと告げる行為は、消費者契約法4条3項8号により、申込みの取消しの対象になります。この規定は新規の申込みだけでなく、更新や追加のプランの勧誘にも当てはまる場面があるため、継続を促す文面は、サービスの内容と価格だけを伝える形にします。詳しくは霊感商法と契約の取消しで解説しています。

配信とメッセージの量:続けさせることと、依存を避けることの両立

毎日の配信やメッセージ相談は、利用者が頼る気持ちを強くしやすい形です。返信は努力目標にとどめ、1か月の受付量の上限を決めます。利用者が心身の状態を理由に休みたいときのために、「休会」という選択肢(料金の発生しない一時停止)を用意しておくと、解約か継続かの二択を避けられます。危機への対応は占い・スピリチュアル相談の依存と精神的な危機への対応の条項とあわせて設計します。

鑑定師の休止・交代・終了:提供する内容の変更をどう扱うか

月額の占いは特定の鑑定師の個性が価値の中心にあることが多く、体調不良や休業、引退がサービスの内容を変えます。規約には、配信や鑑定の休止の期間が一定を超えたときは、会員が更新を止めたうえで、休止の期間に応じた日数分の返金か、利用期間の延長を選べると書いておきます。サービスの内容や頻度を大きく変えるときは、変更の内容と時期を事前に通知し、変更後の最初の更新までに解約できる期間を確保します。サービスそのものを終了する場合は、終了の日と、すでに受け取った料金のうち未提供の期間の分の返金を書きます。

よくある失敗と直し方、ヒヤリングで確認すること

よくある失敗と直し方

月額・会員制サービスの規約の点検で、繰り返し見られた誤りを、占いの月額会員に当てはめて直し方とあわせて並べます。

月額会員の規約でよくある誤りと直し方

更新の条項

避けたい言い方契約は、期間の満了日の翌日に、同一の内容で自動的に更新されます。
書き換え例契約期間は1か月とし、更新の停止の手続をしない限り、満了日の翌日から同じ内容で1か月ずつ更新されます。月額料金は、更新日に決済します。

「契約期間」と「課金日」が別々の語で出てくると、更新日がずれます。更新の単位、更新日、課金日を同じ日として書きます。

返金の可否

避けたい言い方ユーザー都合のキャンセルは理由を問わず返金せず、運営者の不備による場合も返金の可否は運営者の裁量とします。
書き換え例利用者の都合による更新の停止では、現在の契約期間の料金は返金しません。運営者の責めに帰すべき事由により提供できなかった部分は、振替または返金とします。

返金の可否を事業者の裁量だけにする書き方は、責任の有無を事業者が決める条項として、8条1項1号の問題になります。

決済失敗

避けたい言い方決済が不能となった場合、催告なしに利用を停止し、または契約を解除できます。強制解約後も、契約期間満了までの料金を支払う義務を負います。
書き換え例決済が完了しないときは通知し、7日間の猶予期間を設けます。猶予期間後は催告のうえ解除し、請求できるのは未決済の当該期間の料金に限ります。

残りの期間の料金を一括で請求できる定めは、平均的な損害を超える部分が無効となるおそれがあります。

一文ごとに言い換えるのではなく、更新、解約、返金、停止の各条項が互いに矛盾していないかを通して読むことが、点検の中心になります。

ヒヤリングで確認すること

規約と申込み画面を書く前に、事業者に聞いておくことを並べます。回答が曖昧なまま規約を書くと、実際の運用と食い違う条項ができます。

月額会員の規約を書く前に確認すること

  1. 月額の中身は、配信、会員限定の場、メッセージ相談、回数付きの鑑定のどれか(組み合わせか)提供済みの測り方が形ごとに違い、解約の精算の計算式が変わるためです。
  2. 料金は月額だけか、年額や数か月分の一括払いもあるか。割引はあるか年額・一括払いは、中途解約のときの精算の設計が必要になるためです。
  3. 初月無料や初回割引はあるか。あるなら、いつから通常料金か申込み画面の表示と、取消しの余地のある説明を避けるために、移行の時期を表示に入れる必要があるためです。
  4. 更新日は申込み日か、毎月の決まった日か。課金日と利用期間の初日は同じか更新日と課金日がずれていると、解約の締切が説明できなくなるためです。
  5. 解約を受け付けられる手段は何か(会員ページ、メール、フォーム、LINEなど)。人手の対応は何時まで可能か申込みと同じ手段で解約できるかを確かめ、受付の時刻で締切を判定する前提を作るためです。
  6. 鑑定師は何人か。休止や引退のときにサービスはどうなるか個人の事情で提供が変わるときの、延長や返金の定めを置く必要があるためです。
  7. 無料の通話相談や対面の場から、月額の申込みへ誘う流れはあるか電話勧誘販売や訪問販売に当たるおそれがあり、書面とクーリング・オフの対応が必要になる場合があるためです。
  8. 会員に、継続を促す連絡(解約を考えている人への連絡、更新前の案内)を送るか。その文面は不安をあおる言い方が混ざっていないかを確認し、取消しの対象となる勧誘を避けるためです。

回答は、そのまま規約の条項、申込み画面の表示、完了メールの文面に反映します。

条文例と、起きがちなこと

月額・会員制の占いサービスの規約を想定して、自動更新と解約、決済の失敗を、新しく書き起こした条文例で示します。日数や金額は例であり、事業の実態に合わせて決めます。

自動更新と更新の停止を定める条文例

1本サービスの契約期間は、利用開始日から1か月間とします。利用者が第3項の方法で更新を停止しない限り、契約期間は、満了日の翌日に、同一の内容で1か月ずつ自動的に更新されます。年額プランの契約期間は12か月とし、更新の単位も12か月とします。

2更新後の料金は、更新前と同額とします。運営者が更新後の料金を変更するときは、更新日の30日前までに、変更後の料金と更新日を、利用者の登録メールアドレスへ通知します。

3利用者は、会員ページの「更新の停止」の手続により、いつでも更新を停止できます。更新の停止は、次回の更新日の前日の23時59分までに手続が完了した場合に限り、次回の更新を止める効力を生じます。

4更新を停止した場合も、利用者は、現在の契約期間の末日まで本サービスを利用できます。契約期間の途中で更新を停止した場合、すでに支払った当該期間の料金は、日割り計算による返金の対象とはなりません。

5運営者の責めに帰すべき事由により、契約期間中に本サービスの全部または一部を提供できなかったときは、提供できなかった部分について、運営者が別の日に提供するか、利用者の選択により返金します。

6年額プランの契約期間の途中で解約するときは、料金の総額を12か月で除した額に利用した月数を乗じた額を、すでに支払った料金から差し引いた残額を返金します。

第4項は、更新を止める手続を、期間の途中の終了とは別のものとして書いています。第5項で運営者側の事情による不提供を分けているため、「返金しない」旨の定めが運営者の責任を免除するものと読まれにくくなります。第6項は、前の計算例の設計Aにあたります。

決済の失敗と利用の停止を定める条文例

1決済が完了しなかったときは、運営者は、利用者の登録メールアドレスへ、決済が完了しなかった旨、金額および再決済の方法を通知し、通知の日から7日間(以下「猶予期間」といいます。)、再決済の機会を設けます。

2運営者は、猶予期間中、会員限定コンテンツの閲覧を一時停止できます。この間も契約は終了せず、停止の間に配信した内容は、決済の完了後に閲覧できるようにします。

3猶予期間内に決済が完了しないときは、運営者は、相当の期間を定めて催告のうえ、本サービスの契約を解除できます。この場合、利用者が支払う義務を負うのは、決済が完了していない当該契約期間の料金に限り、残りの契約期間の料金を一括で請求することはありません。

4前項の未払の料金に遅延損害金を請求するときは、支払期日の翌日から支払日までの日数に応じ、年14.6%を超えない割合で計算します。

5契約が終了した場合、運営者は、利用者の登録情報および鑑定の履歴を、終了の日から30日間保存し、利用者が保存の申出をしたときは、その間に過去の鑑定結果を提供します。保存の期間の経過後は、法令により保存が必要な情報を除き、削除します。

日数は例です。保存の期間は、取得した情報の利用目的とプライバシーポリシーの記載にそろえます。

よくあるご質問

自動更新は、規約に書いておけば、申込み画面に出さなくてもよいですか?

足りません。規約が契約の内容になるかは民法548条の2の要件で決まり、利用者に不利な条項のうち信義則に反するものは合意をしなかったものとみなされます。通信販売の定期購入として、申込みの直前の画面で、自動更新と2回目以降の金額、解約の条件が分かる表示が必要です。初月無料などで不利益な事実を告げなかった場合は、消費者契約法4条2項による取消しの余地もあります。

解約の締切を「次回更新日の7日前」にしてよいですか?

7日前という日数だけで直ちに無効とは言えませんが、締切が長いほど利用者の感覚とずれ、「解約したのに課金された」という苦情になりやすく、消費者契約法10条で一方的に不利益と判断される可能性も高まります。基本は次回更新日の前日までとし、締切の日付を会員ページと完了メールで見えるようにします。

月の途中で更新を停止したら、日割りで返金する必要がありますか?

更新日の前に止められる仕組みであれば、当月分は利用できる権利に対する前払で、利用者は次の期間を止めたに過ぎないと整理でき、日割り返金をしない設計も考えられます。ただし、事業者の責めに帰すべき事由で提供できなかった部分は、振替または返金とし、更新の停止と分けて書きます。

年額プランの中途解約で、返金しないと書いてよいですか?

提供していない期間の料金まで受け取る設計は、消費者契約法9条1項1号により、事業者に生ずる平均的な損害を超える部分が無効となるおそれがあります。月割で精算する形が最も争いの少ない設計で、割引分を戻す形にするときは、申込み前に見せ、算定の根拠を説明できるようにします。

カード決済が失敗したとき、すぐに会員資格を削除してよいですか?

避けたほうがよい運用です。通知、猶予期間、催告、解除の順に分け、解除後に請求できるのは未決済の当該期間の料金に限ります。残りの契約期間の料金の一括請求は、平均的な損害を超える部分が無効となるおそれがあります。データの削除の時期と、過去の鑑定結果を保存できる期間も書いておきます。

あわせて読みたいページ

本ページは一般的な情報提供です。個別の事業への当てはめは、提供する内容、料金の受け取り方、勧誘の方法、お客様が事業者か個人かなどによって異なります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 特定商取引法ガイド(消費者庁) / 消費者契約法(消費者庁) / 景品表示法(消費者庁) / 国民生活センター

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